狛犬の鳴き声

近江八幡のまちづくりに取り組む中で、考えたこと、学んだこと、もやもやを記す内訟録。

共感する力

カリスマの言葉とプロセス

一人ひとりときちんと向き合い、アイデアを引き出し、スピーディーに行動に移す。

そんな当たり前に聞こえる努力を、辛抱強く実行してきた人の力強い言葉にエネルギーをもらう。

 

 「共感力」「おもてなし精神」

まちづくりに関する多読の一冊としてとりあえず読んでみた。カリスマ経営者が市長に!という副題に惹かれて読んでみたが、内容はとても読みやすく、ふむふむと自分と対話することができた。

 

数々の大企業で経営者を務めてきたカリスマ経営者が市長になってとりくんできた内容と、心がけてきたことが凝縮された一冊。なんといっても、「待機児童ゼロ」を達成させたその実行力には本当に驚くばかりである。その裏側にある姿勢とはとてもシンプルな2つの言葉に集約されている。

 

「おもてなし」と日本人の好きな言葉を取り上げているが、より明確に分解し説明している。

■”おもてなし”に必要な3つの条件
①「人が好きなこと」
→その人に関心を持つことが大前提。
②「勇気を持つこと」
→自分をさらけだすということ。
③「積極性」
→自分から積極的に人とのつながりを持つということ。

つまり、おもてなしとはお客の要望に応えるだけの、単なる受け身のサービスではないのだ。ひとくちに「共感力」といっても、さまざまな領域、立場の人の意見に対して向き合うということは、つまり中にはクレームも当然あろう。しかし、林氏は根気と辛抱強さをもって、下積みのプロセスがあってこそ成功してきており、だからこそのキャリアなのだと感じた。

 

昨日、県内のまちづくり会社の情報交換の会合があった。ある地域のコア施設ともいうべき都市の拠点を基本計画から実現させてきた大先輩ともいうべき人とお話しできる機会があった。お酒も交え、忌憚のない意見交換の中で、彼が「仕事には辛いことの連続だ。でも辛抱し続けないといけないんだ」と力強くエールを送ってくれたことが、より心に深くこだましている。