嫌われる勇気
人生を変える数冊
ここ最近で、一番夢中になった一冊。
数年前に、福岡伸一さんの「動的平衡」を読んだときに夢中になったことを思い出す。
自分の中でもやもやして、整理できていなかった考えをまとめるヒントがたくさん詰まっていた。
○決定論と目的論「決定論」:あらゆる結果の前には、原因がある。「目的論」:過去の原因ではなく、いまの目的を考える。ex)「外に出ない」という目的が先にあって、その目的を達成する手段として、不安や恐怖といった感情をこしらえている。→われわれは原因論の住人である限り、一歩も前に進めません。
まず、この「目的論」の考え方はいままでの自分には定義できていなかった見方である。奥さんの考え方にこれがある。誰にでもあると思うが、仕事をたくさん抱えている状態で、時間がなく、なかなか手をつけられずにいる。いつまでも机の奥の方に取り残されているプリント状態。そのプリントは、一見自分がやりたくて残していたものだとしても、結果的に後回しになってできていないということは、実はそこまで大切にしていなかったのだ。今の自分には。
なぜできないか、なぜ嫌なのか、常に過去に原因を追求し、因数分解し、問題を消そうとする考え方しかしてこなかったので、「いま」の自分を客観視し、分析する視点が昔から不思議だった。目的論とは、まさにそういう視点なのだと感じた。
編集のチカラ
さて、嫌われる勇気は3、4回も読み返し、自分の血肉になるように何度も咀嚼するようにノートもとり、一通り整理したのちに、著者の他の作品も取り寄せてみました。
アドラー心理学入門―よりよい人間関係のために (ベスト新書)
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著者ふたりのそれぞれ1冊ずつ読んでみました。
まず、アドラーについて、もっと知りたいと思い、とりあえず入門書から。なんとなく、こういうときに入門から入りたがるのが、いかにも自分らしく、応用が効かないなぁと感じます。
内容は、嫌われる勇気で取り扱われたアドラー心理学で扱われる用語が一つ一つ解説され、復習になりました。
もう一冊、フリーライター古賀史健さんの著書。普段書店で見かけても手に取らないだろう本だが、読みはじめたらあっというまに読み終えてしまいました。つまり、文章が面白いのです。
タイトル通り、内容は文章術について丁寧にテクニックを教えてくれています。なるほど、なるほど、ふむふむ。。。と呼んでいるとあっという間に終わってしまった。著者も大事にしている文章の「リズム」をまさに一冊に濃縮されており、読んでいて気持ちがいい。20歳といわず、10代に読ませたいと感じます。
2冊の本を通して感じたのが、「編集のチカラ」。嫌われる勇気がおもしろかったのは、単にアドラー心理学の発見だけではなかったと確信します。対話形式の流れ、文章のリズムの良さ。これが読み手に難しい内容を解きほぐし、読みやすくしてくれる。古賀さんの言葉では「翻訳」し、テンポよく展開しているということでしょう。
○「書く技術」は、一生使える”武器"になる・これからますます「書く時代」「書かされる時代」になる。・文章力という”武器”を手に入れることは、将来に対する最大級の投資。
昔から、国語や作文に苦手意識が強く、できることなら避け続けてきました。書くよりも読むほうが楽しい。しかし、これからの時代、SNSやブログなど、個人がますます書くことを求められ、情報発信力、日常の編集力がなければだれも見てくれなくなるのではないでしょうか。もちろん、リアルでの繋がりをきちんと保てれば心配する必要はないですが。
自分のような働き方をする人たち、まちづくりをよそ者がする人たちには、まちがいなく書く力を磨かなければならないと感じます。