狛犬の鳴き声

近江八幡のまちづくりに取り組む中で、考えたこと、学んだこと、もやもやを記す内訟録。

一人ひとりが自覚することからはじまる/『ニッポン景観論』

◆原点を見つめ直す、明快な景観論 アレックス・カー氏の新しい著書。 先日ヒアリングに足を運んでいただいた、慶応大学の社会人学生からの情報提供で早速拝読。 business.nikkeibp.co.jp 書籍は中身もカラーでありビジュアルが多く、パワーポイントでプレゼ…

世界の戦争博物館から見る、国家のプレゼンとハコモノ経営/『誰も戦争を教えられない』

■行こうと思わない博物館!? 「戦争博物館というのは、すぐれて政治的な場所である。なぜならば、戦争が国家間で行われる外交手段の一つであるように、そこで起こったことの認定もまた、一つの外交であるからだ。特に国家が運営に関わる戦争博物館では、そ…

行政と民間の本気の蓄積/『にぎわいの場 富山グランドプラザ—稼働率100%の公共空間のつくり方』

■ロマンではなく、前かがみな想いが重なる協働 【はじめに】 P5〜・ポール・ズッカー著書『都市と広場』の冒頭「広場は、疑いもなく、絵画、彫刻、あるいは個々の建築作品と同様、「芸術」である。広場の解放された空間、周囲の建造物、その上に広がる空が織…

誰かのためになること、助けになることを幸せだと思う/『SQ “かかわり”の知能指数』

■これからの社会を考える鍵「SQ」 ◎誰もが手助けを求めている P245〜 社会学というモノは、伝統的な農村社会で持っていたような「密な絆」というのを失ってしまったけれども、その代わりに他人と協力して、広い範囲でいろんな、これまではできなかったたくさ…

もっとも頼りになる資質は「人柄の良さ」/『評価と贈与の経済学』

■イワシ化する社会 岡田「イワシって小さい魚だから、普段は巨大な群れになって泳いでいる。どこにも中心がないんだけども、うまくまとまっている。自由に泳いでいる。これは見事に、いまの日本人なのではないかと。そのときの流行りとか、その場限りの流れ…

ひとも地域も何を求めるか/『幸せのメカニズム—実践・幸福学入門』

■便利・快適志向から幸福志向へ 「これまでの街づくりは、便利さ、快適さ、安心・安全といった、人々の基本的な欲求を満たすことに重点が置かれ過ぎていて、幸せの四つの因子を育むようには計画されていなかった。だから、都会では、隣の住民が何をしている…

どう生き、どう死ぬか/『生き方―人間として一番大切なこと』『働き方―「なぜ働くのか」「いかに働くのか」』

ひと月前に読んだ稲盛本の読み返し。原理原則に立ち返るエッセンスに満ちた本。 ■「生き方」と「働き方」 「私の成功に理由を求めるとすれば、たったそれだけのことなのかもしれません。つまり私には才能は不足していたかもしれないが、人間として正しいこと…

これから、「ふるさと」はどう変わるか/『人口減少×デザイン』

昨日のソーシャルデザインセミナーの復習がてら筧さんの本を拝読。最近は地域に残る大小様々な祭礼の継承のヒアリングを通して、これからの「ふるさと」づくりについて考える機会が多い。ふるさとに関する重要性を再確認できる本だった。近江八幡は火祭りを…

温故知新のワークショップ

「過去を育て、未来をつくる」 短時間ですが、発見の多いワークショップでした。 【セミナー】3/23(月)近江八幡デザイン・カレッジセミナー「記憶で地域がよみがえる!-過去を育てて未来を創る、ふるさと絵図のまちづくり-」massee.jp 近江八幡では、…

クリエイティブな思考のヒントが詰まった手引き書「システム×デザイン思考で世界を変える」

なんとなくの感覚でこなしてきたワークショップを変えるきっかけ ブレスト、ディスカッション、ワークショップをすることが仕事がら多い。自分がなんとなく気をつけてる感覚を言語化され、手法としてまとめて説明されているので、手引きとしてなんどもみかえ…

リーダーに必要な「チームの目標を達成する!PDCA」

マネージメントを考えるきっかけ 昨年読みっぱなしだった一冊。先日、地域の書店をぶらぶらしていたら、まだ書店で平積みされていた。内容を非難するのではないが、こういうタイプの本は、どんどん新しいものに更新されつイメージだったので、1年たってもま…

不幸じゃないけど幸せでもない、われわれへの「新・幸福論」

「不幸じゃないけど、幸せでもない。」 同世代の人たち、また地域で腰を据えてまちづくりやコミュニティに関わる仕事をしている人たちには、共感できる感覚なのではないだろうか。 コミュニティビジネスに注目が集まるいま、「近現代」という歴史的文脈から…

流れとかたち

世界の見方が変わる一冊 都市や地球を生物に比喩し、生態学として考えることに魅力を感じている。 しかし、この本では、もっと物理学的な視点で、まさに「流れ」と「かたち」にあらゆるもののデザインの法則性を説明している。とてもシンプルで明確な定義付…

嫌われる勇気

人生を変える数冊 ここ最近で、一番夢中になった一冊。 嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 作者: 岸見一郎,古賀史健 出版社/メーカー: ダイヤモンド社 発売日: 2013/12/13 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (71件) を…

共感する力

カリスマの言葉とプロセス 一人ひとりときちんと向き合い、アイデアを引き出し、スピーディーに行動に移す。 そんな当たり前に聞こえる努力を、辛抱強く実行してきた人の力強い言葉にエネルギーをもらう。 共感する力 ~カリスマ経営者が横浜市長になってわか…

新クリエイティブ資本論

これからの50年で、社会はもっと居心地よくなるだろうか 過去の50年、100年の激動から学び、これからの活動のエッセンスにしていくべきです。 昨年末に出版されたリチャード・フロリダの新著。 まだ読んでいないのか!?と指摘され、 いろいろ後回しにせっせ…

minimalism

本当に大切なものはそんなに多くない。 引越しのたびに思うのだが、自分の身の回りにはいらないものがたくさんある。しかしなかなか手放すことはできない。とりあえず次回と先延ばしにしているわけだが、それは自分自身の「幸福」にたいしても先送りしている…

住み開き

寝食する場を共有する 大学に入ったばかりの頃、北関東の田舎から関西の辺境へと移り住み、「言葉も文化も違う異国とはこのことか」と思いつつも、本当にたくさんの人たちを6畳間のアパートに呼び飲み会をしたものです。 最大20人近く集まったこともあり、…

アヴァン・ガーデニング

公共空間のリノベーションに、「ガーデニング」は有効か? 1月に参加した、西村佳哲さんの主催する「ひとの居場所をつくるひと・フォーラム」 @奈良県立図書情報館の会場で購入した一冊。 見たことがない言葉とカバーのデザインでジャケ買い。 VOL 01 作者…